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クリスマス=Christ’s Mass=キリストのミサ

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子どもの頃からクリスマスを待つ楽しみは大好きです。イエス・キリストの誕生を祝うこの祭りを人びとは、厳粛な中にも暖かな、そして尊敬と親しみの心を持って迎えます。日本の正月と似ている過ごし方だと思いました。

12 月(師走)に入ると家族はみんなクリスマスの準備で忙しくなり、大掃除に始まり、食料品の買い出し、料理の準備、クリスマスカードを書いたり、いろいろあります。ポーランドは普段から手作りでもてなす国ですが、それに一層拍車がかかります。
プレゼントの用意や、街のあちこちでモミの木が売られ始め、形の良いきれいな木を選んで運ぶのは、男の人の役目です。大抵の家は、天井まで届くほどの大きなモミの木を買います。クリスマス・ツリーの飾りつけは、子供たちも一緒にします。モミの木の香りが暖かい部屋に漂って、イエスの誕生が待ち遠しいのです。

そして子供たちの何よりの楽しみは、プレゼントです。ポーランドの子供たちは、12 月は2回プレゼントをもらいます。6日の聖ニコラスの記念日とクリスマス・イヴの天使が持ってきてくれるプレゼントです。

イヴは皆、何かしらの仕事に追われ落ち着きません。またこの日は一日中、誰も肉を口にしません。ポーランドの教会では小さな犠牲として小斉にして、イブの日は肉を食べない習慣があります。そして最後の準備に追われながらもその合間を縫って、「赦しの秘跡」を受けるために教会へ行きます。

待降節に入ると毎日曜日には、告解場で何時間も告解を聞く事がありました。夕方 6 時ごろにイヴの日の夕食が始まります。肉料理はなく、鯉を中心とした料理を最低 12 種類位作ります。この 12 種類とはイエスの弟子の数に合わせています。

クリスマスには家族が一同に集まり、クリスマス・ツリーの明かりが灯されると、夕食が始まります。まずは家族の中で一番若い人が、聖書のキリスト誕生の箇所を朗読します。次にオプワテックという白い薄いウェハースのようなものを皆に配り、その一部を割って、交換しながら、それを口にして、互いに傷つけあったことを赦し合い、互いの健康と幸せを分け合います。

親や兄弟同志でも、互いに許し合う気持ちに涙する時もありました。美しくセッティングされたテーブルには、必ず人数より一人分余計に皿が用意されています。これは、誰かが不意に訪ねて来ても、例えそれが見知らぬ人であっても、温かく迎え、ともにこの夕べを過ごすための皿です。クリスマス料理は、家族にとって、なつかしいおふくろの昧です。

この静かな夜に歌われるのが、クリスマス・キャロルです。ポーランドには、本当に沢山(500 以上)の美しいクリスマス・キャロルがありますが、残念なことに日本では殆ど知られていません。

24 日真夜中に、教会ではキリスト誕生を祝うミサが行われます。人々は、星に導かれた羊飼いのように教会へ集まって、ミサに参加します。25 日 26 日はクリスマス休暇になり、外は粉雪が降り積もり、夜の長い日々となります。

各家庭では朝からごちそうが並び、食卓は、一段と賑やかになります。親戚や友人も訪れます。昔ポーランドは、歴史的に他国による侵略や分割、戦争などの犠牲になることが非常に多い国でした。

その当時は決して、幸せなクリスマスではなかったと思いますが、クリスマスキヤロルだけは色々な思いの中でも、次の世代へと歌い継がれてきました。来年も新しい改革に挑む全世界の人々にとって、すばらしいクリスマスがくることを心から祈っています。

私たちも世界で争っている国々のことを心に留めなければなりません。幼子イエス・キリストは、平和の象徴ですから、世界が平和になるために祭壇に飾られた馬小屋を見つめながら祈りましょう。

戸部教会だよリ12月号  Adam Kurzak SchP アダム・クジャク

by NaszDomJaponski | 2015-01-08 09:42 | Fr.Adam's Voice | Comments(0)
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